秋田ねんりんピック報告

 競技

  秋田ねんりんピックのテニス交流大会は9月10日から秋田県立中央公園テニスコートで行われた。初日は予選リーグがあり、全国から72チームが参加した。1チーム6人編成で、70歳以上男子ペア、60歳以上女子ペア、60歳以上男子ペアのダブルス3組の団体戦。4チームずつの18組に分かれ、4ゲーム先取ノーアドバンテジ制で予選リーグを戦った。愛媛県チームの「みきゃん」は神奈川県、兵庫県、札幌市とÑグループで総当たりの結果、2勝1敗で2位グループに入った。

  

 初日が雨で開始が2時間余り遅れたため、2日目の決勝トーナメントは7ポイント先取ノーアドバンテッジに短縮して行われ、1位グループから4位グループまで、グループごとに順位を争った。2位グループの愛媛は1回戦で横浜市と戦い、1勝2敗で惜敗した。

 

決勝トーナメント2位グループに食い込む原動力は何といっても山村紀美子選手・藤井真理子選手の女子ペアの活躍だった。山村選手はボールを拾いまくり、それをバックラインぎりぎりに落とす攻撃的ボレーで相手選手を悩ませた。苦し紛れの相手リターンをバックサイドの藤井選手が正確なボレーと豪快なスマッシュで仕留め4連勝した。おそろいのピンクの帽子と赤いユニホーム姿でコートを駆け巡り、ポイントを上げるたびに、スタンドから大きな拍手と歓声が上がった。

 

男子70歳以上の田丸康徳選手・戒田純選手のペアは息もピタリと合って大健闘、2位グループへ大きく貢献した。男子60歳以上の織田文雄選手と私、飯尾典治選手組は急造ペアで、全国レベルの大会は初体験ということもあって力及ばなかったが、今後の精進を期した。    

                                         

 交流とおもてなし

     テニス交流戦は大雨で始まった。テニスコートそばの体育館に避難していると、あいさつに来てくれた人がいた。愛媛県シニアテニス連盟の安部清尊さんだ。「今日は福島県の代表メンバーです」と破顔一笑した。事情はこうだ。福島県在住の安部さんは「いわきマスターズテニスクラブ」に所属しているが、実家は今治市の伯方島。親の介護などでここ数年は実家暮らしが多くなり、愛媛県シニアに加入したのだという。雨宿りの間、福島代表のメンバーとも談笑した。安部さんは2日間、盛んに愛媛を応援してくれた。

 

 戒田選手は兵庫県代表の西岡聖さんと旧交を温めた。かつて中四国学生対抗テニスで西岡さんの岡山大学と対戦。15年ほど前にOB戦を戦って以来の再会で学生時代の話に花を咲かせた。西岡さんは飯尾選手の中・高校の先輩でもあり戒田選手に引き合わせてもらった。

 

  地元秋田県の佐竹知事夫人が山村選手の応援に駆けつけた。2人はテニス仲間で、藤井選手を交えてテニス談義に興じていた。差し入れの米どころ秋田を代表する銘酒はメンバー全員でおいしくいただいた。スタンドのあちらこちらでそんな交流が繰り広げられた。

 

 また、コートを取り囲むようにおもてなしのテントが林立。名物の「きりたんぽ」「ハタハタ」や漬物、銘菓などが振舞われた。いつの間にか田丸選手と織田選手は案内役の秋田美人と写真に納まっていた。

 

 ☆観光と総括

  試合の後の駆け足観光は、ねんりんピックの楽しみの一つだ。ちょうど県立美術館で藤田嗣治展が開かれていた。秋田の富豪、平野政吉がスポンサー的な存在だったので藤田と秋田の関係は深く、今回の美術展開催の運びとなったようだ。時間のたつのも忘れ藤田ワールドを堪能できた。世界中のダリヤを一堂に集めたダリヤ園も楽しかった。園内の古民家ではきりたんぽ作りに挑戦した。最後は乳頭温泉。テニスの疲れを癒すのに最適だった。田沢湖のタツコ像は日光を浴びて金色に輝いていた。

 

 最後は選手たちの感想で締めくくろう。織田選手は「大きな大会は初めて。非常に緊張したが楽しかった。練習試合の力を出せば一つくらいは勝てたと思う。旅を楽しくするためには、下調べの必要性を感じた」。次回の富山大会にも意欲を燃やしていたが、連続出場はできないことを知らされてガックリ。

 

 山村選手は「全部勝てたのだから100点満点かな。練習は裏切らないことを実感できた。夫の赴任先だった秋田で仲良くなったたくさんのテニス仲間と再会できてよかった」と語った。藤井選手は「秋田の人の人柄、おもてなしに感動した。でもメインはテニス。もっと予選会を充実させないと」と重い提言をした。そういえば今回は予選なしで愛媛代表が決まっている。

 

 世話役の立場から私、飯尾からも一言。「4泊5日でよかったのか。もっと短縮できたのではないか。値段の高いホテルをあてがわれてしまったのは申し込みが遅かったからではなかったのか。反省ばかりが思い浮かぶ。この経験を活かしたい。そのためには早い取り組みが必要だ。次回富山大会の監督に問われればしっかりアドバイスしたい」。    

                                                                          終わり